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# 書状・書簡

≫ 茶々姫の和歌

『舜旧記』収録連歌(慶長十年十一月十九日)

春駒や若草山に立出て おもふ事なき事そうれしき
意訳:馬が春の若草山にいる様子は、何も思い煩うことがない長閑な様子こそありがたいものです
〔解説〕
前半の茶々姫の夢想で、本人や千姫、公家衆が連歌を行っています。 後半は茶々姫本人の連歌。その後、千姫のもの…と続いています。

慶長十年十一月十九日、茶々姫は自分の夢想で千姫を主催とした夢想連歌会を開きました。 同じ豊国社に於いて、前日まで千姫名義で十七日間の祈祷がやはり茶々姫の支度でつつがなく執り行われています。
この一連の動きは、いくつかの書籍では茶々姫が千姫をないがしろにしていなかった例として取り上げられることが多いのですが、 この件でいえることはそれだけに留まりません。 この記事で千姫は「大坂御裏様」と記載され(「御裏様」とは武家から摂関家に嫁いだ女性の尊称)、 千姫=公家妻(つまり豊臣家=摂関家)としての性格が色濃く出ていることに注目されます。 公家の中で、和歌会や連歌会は公式な行事であり、それを運営することは当時の公家妻の重要な役割でした。 その役割が茶々姫の世話で千姫の主催として行われている点がこの連歌会で最も注目すべきことです。 茶々姫がこの時点で既にまだ幼い千姫に将来の関白夫人として扱っていたことがこの一件からうかがわれるのです。
もちろんこの姿勢はこの連歌会に留まりませんが、それはまた別項で。
〔独り言〕
後半の「おもふ事なき事そうれしき」という下りが、初めて拝見したときから非常に印象深いものでした。 意訳ですが、「思い煩うことがないことが幸せ」と認める姫の心境を慮ると切なくなります。
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